電車に乗るのもとても便利になり、どんどん進歩しているのですねえ。
住まいからは、上野東京ラインで上野まで直通です。 時間も短縮、驚きですわ。
それに上野公園出口も、綺麗に整備され、歩行者を優先しているので、車の往来が少なく安全が嬉しい。
移設工事完了も知らず、改札を出ると様変わりした新しいロータリーに、何とも言えない開放感と心地よさを感じました。
それぐらい久々の上野の美術館へのお出かけです。
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先ずは駅から一番遠い美術館 東京都美術館「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」
テレビの案内では、スコットランド国立美術館の展示で 「美の巨匠たち」 が集結。
ルネサンス期から19世紀末までの名作を数多く所蔵し、
真っ赤な壁面に多数の絵画が展示されているユニークな美術館です。
展示室に入ると、まずスコットランド国立美術館の歴史を紹介する序章があり、
- 第1章 ルネサンス
ラファエロ、エル・グレコ - 第2章 バロック
ルーベンス、ベラスケス、レンブラント - 第3章 グランド・ツアーの時代
ヴァトー、ブーシェ、レノルズ - 第4章 19世紀の開拓者たち
コロー、スーラ、モネ、ルノワール、ゴーガン
加えて、レノルズ、ターナーなど英国絵画の名品も多数出品されています。
日本初公開となるベラスケス初期の 《卵を料理する老婆》 卵料理って昔からあったのねえ。
ベラスケス19歳の時、まだ宮廷画家になる前の修業時代のものです。とても10代の作品には見えないですね。
エル・グレコ《祝福するキリスト》 | ベラスケス《卵を料理する老婆》 |
その後、国王フェリペ4世付きの宮廷画家となり、以後30年、国王や王女をはじめ、宮廷の人々の肖像画、王宮や離宮を飾るための絵画を描きました。
王女様の絵などプラド美術館で見ていたのでこんな絵もあるのねえと感心しました。
レノルズ 《ウォルドグレイヴ家
の貴婦人たち》スコットランド国立美術館を特徴づけるスコットランドやイングランド絵画も展示されています。
中でも、イングランド出身のレノルズの 《ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち》は、
三人の女性が手仕事をしていますが、まるでサロンのように優雅。
三人の女性が並ぶ構図は古典美術の「三美神」という伝統的な主題になぞらえているもので、時代を超越した美しさがあるんだそうです。
ターナー《トンブリッジ、ソマー・ヒル》 | モネ《エプト川沿いのポプラ並木》 |
印象派の作品や大型の絵などを離れて鑑賞する場合も、あまり入場者に遮られることなく、いい感じで鑑賞できたのがよかったです。
ルノワール《子どもに乳を飲ませる女性》 | ゴーガン《三人のタヒチ人》 |
最後に、エピローグとして紹介されている2.6mx2.3mの大きな絵画は、アメリカの風景画家チャーチが描いた《アメリカ側から見たナイアガラの滝》
チャーチ《アメリカ側から
見たナイアガラの滝》ナイアガラ瀑布をアメリカ側からみた大きな絵画は、
スコットランドのつつましい家庭に生まれ、アメリカに渡って財を成した実業家が、
母国への感謝の気持ちを込めて、スコットランド国立美術館に寄贈した大作。
近来の日本では、そんな絵画を、ポーンと寄贈して下さる方はお聞きしませんねえ。
次は 東京国立博物館「沖縄復帰50年記念 特別展 琉球」 に。
朝のNHK連続ドラマ 「ちむどんどん」 の影響もあるのでしょうか、若い方も多かった。
復帰50周年の節目に、沖縄固有の文化と歴史をたどり、
古く海外で作成された地図にも「琉球」は詳しく記載されていて、
その存在感の大きさに驚かされました。
沖縄の歴史をたどるのも、解りやすい展示はとても良かったです。
- 第1章 万国津梁 アジアの架け橋
- 第2章 王権の誇り 外交と文化
- 第3章 琉球列島の先史文化
- 第4章 しまの人びとと祈り
- 第5章 未来へ
沖縄のシンボル、旧首里城正殿の鐘《万国津梁の鐘》は展示されていました。
国宝 玉冠(付簪) | 重文 万国津梁の鐘 |
記念撮影スポット | 歴代国王パネル |
王家の宝物や、諸外国から送られた工芸品などが展示される 「国宝 尚家宝物コーナー」(写真撮影可)は圧巻です。
国宝の《黄色地鳳凰蝙蝠宝尽青海波》、鮮やかな黄色に胸や肩には鳳凰を、
腰から裾にかけては中国の官服に表現される文様を紅型で染めています。
撮影OKの 国宝 尚家宝物コーナー(第2会場C展示室) | 国宝 黄色地鳳凰蝙蝠宝尽青海波立波文様紅型綾袷衣裳 |
鮮やかな赤い襟の振袖仕立ては、若い王族のために儀式などの正装用に仕立てられたのでしょう、
南国に溶け込む山吹色の鮮やかさに感激です。
国宝 黒漆雲龍螺鈿東道盆 | 国宝 青貝螺鈿鞘腰刀拵(号 北谷菜切) |
華やかな琉球衣装。伝統ある織物や、染物の紅型の紹介なども興味津々、
刀剣や陶器、漆器、染織品、簪[かんざし]などの至宝の美しさを堪能しました。
国宝 緑釉四方燭台 | 国宝 朱漆巴紋牡丹沈金馬上盃 |
休憩をかねて、東博本館前の大きなユリの木の木陰で簡単ランチ、コーヒーブレイクです。
本館前のユリの木と花 | 簡単ランチ&コーヒー |
涼風もそよそよ、一角は本当に芸術の宝庫なので、ここだけで2,3日は時間がつぶれそうです。
ランチ後は六本木へ移動。
国立新美術館「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」を観賞。
一度訪れたい美術館の一つだったので、期待に胸ふくらませ、ルンルンと足取りも軽くでした。
大変な混雑、ゆっくりではありませんが、人垣の間からちょっこりと顔を出し、大体目の高さで鑑賞できました。
- T.信仰とルネサンス
アンジェリコ、ラファエロ、クラーナハ、ティツィアーノ、エル・グレコから、 - U.絶対主義と啓蒙主義の時代
カラヴァッジョ、ラ・トゥール、レンブラント、フェルメール、ルーベンス、ベラスケス、プッサン、ヴァトー、ブーシェ、 - V.革命と人々のための芸術
そして、ゴヤ、ターナー、クールベ、マネ、モネ、ルノワール、ドガ、ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌまで
[日本初公開] ラファエロ《ゲッセマネの祈り》 | [日本初公開] エル・グレコ《羊飼いの礼拝》 |
フェルメールの 《信仰の寓意》 は、
残っている絵、売買された絵は、夫人の実家の画商のおかげで、絵を売らなくても生活は維持できていたと聞いています。
実際に売買された絵は16枚位とと聞いていますが、こんな絵もあったのですねえ、
光の魔術師、蒼の魔術師とかいわれ、綺麗な絵画を見ていますが、この絵は意外でした。
[日本初公開] カラヴァッジョ《音楽家たち》 | [日本初公開] フェルメール《信仰の寓意》 |
何とも言えない目の表情が素晴らしかったのは、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 《女占い師》
[日本初公開]ラ・トゥール
《女占い師》文献によれば、おそらく1630年代の作品で、
占い師の老婆を見つめる若者が、周りの女性たちから
財布や宝飾品を盗み取られる場面が描かれています。
硬直したようなポーズ、にらみつけるような眼差し、派手な色の風変りな衣服が、強烈な印象を残します。
この作品の占いの情景や明暗表現は、カラヴァッジョの作例で見られるそうですが、
彼がこうした流行をどのような経路で知ったのか、いまだに判明していないそうです。
ターナー《ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む》 | ルノワール《ヒナギクを持つ少女》 |
それぞれの画家の絵の前で、構図や心理を考えてみるのも好きなんです。
説明を見て 「あっら、そうだったのねえ、うーーんそうか!」 等に独り言をつぶやきながら鑑賞です。
ドガ《踊り子たち、ピンクと緑》 | ゴッホ《花咲く果樹園》 |
ドガの踊り子も知らない構図でした。が、ヤッパリ彼の踊り子の絵は 《エトワール》 が一番好きです。
[日本初公開] セザンヌ《リンゴと洋ナシのある静物》 | [日本初公開] モネ《睡蓮》 |
メトロポリタン美術館は、ルーヴル美術館、エルミタージュ美術館と並ぶ、世界3大美術館の一つです、
次はいつ日本に来るのかわからない、素晴らしい作品が目白押しでした。
最後は、サントリー美術館「大英博物館 北斎」
浮世絵師・葛飾北斎は、世界で最も著名な日本の芸術家の一人です。
冨嶽三十六景や北斎漫画など、一度見たら忘れられないインパクトを持つ作品の数々は、国内外で高い人気を誇っています。
北斎は、モネ、ドガ、ゴッホら印象派およびポスト印象派の画家たちによる北斎への傾倒や、
フランスを中心としたジャポニスムへの影響が有名です。
- 第1章 画壇への登場から還暦
- 第2章 富士と大波
- 第3章 目に見える世界
- 第4章 想像の世界
- 第5章 北斎の周辺
- 第6章 神の領域―肉筆画の名品―
1人の浮世絵師が、ここまでバリエーションに富んだ対象物、描き方で創作活動を続けたことに驚きです。
細部までの描写力、自身が楽しんでいるのが絵画中に見て取れ、さらにユーモアがあります。
展示作品中、版画《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》と肉筆画《為朝図》(椿説弓張月の名場面:為朝だったら軽々引ける弓も、島人3人で引いてもびくともしない)の2つは写真撮影OKです。
冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 | 為朝図/椿説弓張月の名場面 |
冨嶽三十六景は、順を追って鑑賞すると繊細な絵なども理解でき作品の豊富も素晴らしかった。
《神奈川沖波裏》の波を、自分で勝手に反対側からの波を想像し、右から怒涛だと思っていましたが、
良く考えれば左側からですよねえ、左に海、右に陸地ですものねえ。
やれやれ恥ずかしい、これで趣味は絵画鑑賞って良く言えたものです。
冨嶽三十六景 凱風快晴 | 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 |
「諸国瀧廻り」シリーズや「諸国名橋奇覧」には、北斎がよく知っていた場所だけでなく、
想像で描かれた場所も含まれているそうです。
諸国瀧廻り 和州吉野義経馬洗滝 | 諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし |
北斎没後11年の1860年には入手したという《小野小町》
そのころすでに北斎に注目していたという大英博物館に驚きです。
目に見えない《百物語 こはだ小平二》のようなテーマも、豊かな想像力と卓越した画力でリアルに描く、高齢でも衰えることのないその技巧に目を見張ります。
小野小町 | 百物語 こはだ小平二 |
肉筆画は展示数は少ないですが、《為朝図》をはじめ、どの作品も見ごたえ十分です。
流水に鴨図《流水に鴨図》は水面と水中の鴨の対比、水面に浮かぶ紅葉の構図が見事。
鴨の眼をよく見てみると…なんと藍色!
当時はまだ珍しかったプルシアンブルーという絵具が使われています。
今週から展示された、北斎最晩年の肉筆画で、
東京・西新井大師總持寺所蔵の畳三畳分1.5m×2.4mの大作《弘法大師修法図》
鬼を災厄に見立て、その鬼を経巻を手にした空海が法力で調伏する様子を描いたもので、北斎渾身の力作です。
弘法大師修法図鬼の上部の金銀箔、鬼の棒には雲母が施されるなど、
光の当たり方によって見え方が変わる素材が用いられています。
広い本堂で様々な角度から鑑賞されることを意識した、といわれています。
鑑賞順路は4階からでしたが、4階にある”第1展示室”をすっかり見落とし、また仕切り直し、最後まで混雑を感じず 「ゆっくりお勉強?」 が出来ました。
夜は、飲み飲み会を渋谷で長女と一緒に・・・・・
でも酔っぱらったよ^^^^で、彼女の家のバルコニーから綺麗な夜景を見ながらスヤスヤと。
一泊二日の美術館めぐりも目出度く終了。
これからお仲間さん達とラーメンランチ直行です。